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軍法会議の沿革(大日本帝國憲法第六十條)

枢密院帝國憲法制定会議憲法草案追加條項 特別裁判所の管轄に属すべきものは別に法律を以て之を定む

【枢密院に提出された草案追加條項注解】 無し。

【枢密院に提出された草案追加條項参照】 無し。

【明治の自由民権運動を代表する交詢社系の郵便報知新聞社説私考憲法草案(カッコ内は交詢社の私擬憲法案)】

第六十一條 裁判は総て法律によりて定まれる裁判所に於て裁判官法律に遵い之れを司る可し特別の裁判を開き特別の裁判官を命じて裁判を司らしむるを得ず(第六十四條 裁判は総て法律を以て定めたる裁判所に於て法律に遵い裁判官之を司どる可し特別の裁判所を開き特別の裁判官を命じて裁判を司らしむべからず)

第六十一條註解

 そもそも人民の自由を保護するに最も必要なるは法の独立不羈これなり。法は國帝と國民と共に遵守すべきものにして立憲政体基礎はすなわち法にありて存するなり。それ法の独立不羈を要するは法の効力を全く他の政権と分離してこれと相関せしめざるにあるなり。もし然らずして権威勢力のために法を左右するが如きあらば國民の幸福得て保全すべからざるなり。故に法官は全く官民と分離して毫も他の政権と関せざる一地歩を占め、ただ法に遵い法を守り法と共に進退すべきのみ。西人曰く、法官は即ち法の一部分なり、故に法に離れて裁判に関するを得ずと。これ本文に法によりて定まれる法廷に於て法に遵って審判すべき旨を掲明する所以なり。即ち法の独立不羈を要するの主意に出でたるものにして、國民の自由を保護せんと欲せば宜しく此かくの如くならざるべからず。フランスに行わるる行政裁判の如き其の他國民の自由不完全なる國に於て特別裁判所を開て一種の勢威を法の上に加うるが如きは國民の自由の滅却するものと云うべし。故に本文に於て特に此の意を明にせり。


 枢密院帝國憲法制定会議では、草案第六十條の可決後、寺島宗則が次のように新案の挿入を提議した。

 「本條の次、原案第六十一條の前に一條を新設し、之を第六十一條とし、原案第六十一條を第六十二條とせん事を委員に於て議決せり。新案の主意は山田氏より弁ずべし。」

 その新案は「特別裁判所の管轄に属すべきものは別に法律を以て之を定む」であり、憲法施行後の必要に応じて特別裁判所の設置を可能にする趣旨の規定であった。

 山田顕義法相は新案の趣旨を次のように説明した。

 「特別裁判所とは、行政裁判の外、権限、商法、職工、船舶というが如き種々の裁判所あり、これをいうなり。各國の憲法には一々これを列記せるものあり。我が國においては民法、商法、等の関係よりして、将来尚種々の裁判所を要すべきにより、今予め一々これを列挙するを得ず。只特別裁判所と成し本條を加えんとす。」

 新案第六十一條は異議なく可決され、第二審会議によって第六十條に移された後、明治天皇の御裁可を得て、大日本帝國憲法第六十條「特別裁判所の管轄に属すべきものは別に法律を以て之を定む」となった。

【大日本帝國憲法義解第六十條解説】

 陸海軍人の軍法会議に属するは、即ち、普通なる司法裁判所の外に於ける特別裁判所の管轄に属するものとす。其の他商工の為に商工裁判所を設くるの必要あるに至らば、亦普通の民事裁判の外に特別の管轄に属するものとす。凡そ此れ皆法律を以て之を規定すべくして、命令を以て法律の除外例を設けることを得ず。
 若しそれ法律の外に於て非常裁判を設け、行政の勢威を以て司法権を侵蝕し、人民の為に司直の府を褫奪するが如きは、憲法の之を認めざる所なり。


・私見-軍法会議の沿革

 戦場では国内法規に基く行政および司法と公共設備(インフラ)は必ず機能麻痺に陥る。だから戦場で国際法規に基いて戦闘を行う軍隊は行政および司法と公共設備から独立して活動するための自己完結能力を持たなければならない。それゆえ軍隊は自己完結能力の一環として軍事警察(憲兵隊)と軍法会議を運用し、自ら軍法違反者を逮捕、起訴、審判、処罰し、もって軍紀の厳正を保持するのである。

 帝國憲法下の法律は必ず帝國議会の協賛すなわち承認を経なければならないので、帝國憲法によって規定される法律事項はすべて帝國議会の承認事項(憲法第五條および第三十七條)であり、改正可能事項(憲法第三十八條)である。

 軍法会議を含む特別裁判所の管轄は法律事項であるから、軍法会議の形式手続は軍内自律型単審制であるべきか、軍内自律型複審制であるべきか、あるいは最終審判を最高裁判所に仰ぐ軍内下級審制(アメリカ型)であるべきかは、すべて特別裁判所の管轄を規定する法律案の可否を審議し議決する帝國議会と議会に代表を送り込む有権者たる國民が決定するのである。

 特別裁判所の管轄と同じく法律事項である國民の兵役義務(憲法第二十條)もそうである。國民の兵役義務を2年間にすべきか、あるいは兵役義務を徹底的に簡素化して徴兵制度を休止ないし廃止すべきか、國内の防衛に限定すべきか否か、すべて國民の兵役義務を規定する法律案の可否を審議する帝国議会と有権者が決定するのである。

<例、徴兵制を休止するための兵役法>

第一條 日本臣民は満十八歳の誕生日から一年以内に國防省兵役局登録事務所に出頭し、以下の兵役を履行しなければならない。

一、大日本帝國憲法を誠実に遵守することを宣誓する。
二、帝國の独立と生存と光栄を防衛することを宣誓する。
三、國防省の発行する書籍「民間防衛」と「軍人操典」を受領する。
四、司法省の発行する書籍「大日本帝國憲法義解」を受領する。
五、宣誓書と受領書に署名と指紋捺印を行い、それらを国防省に提出する。

第二條 第一條の兵役義務を履行しない日本臣民は衆議院に対する参政権を行使できない。

 軍法会議の管轄形式手続にしろ、国民の兵役義務にしろ、国民を含む国家の生存と同義である国家の軍事防衛に関して言えば、国民主権を標榜するGHQ製日本国憲法より、国民主権を否定する大日本帝國憲法の方が、よほど広範に、国民の代表機関である議会および有権者たる国民の政治的選択権を保障している。実際に大正時代の我が国の政府および帝国議会は法律を改正し、軍法会議の抜本的改革を行った。

東京朝日新聞 1920.12.22 (大正9年)神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 軍事国防10-067

陸軍治罪法改正要旨

 陸軍治罪法は明治二十一年の制定に係り条数僅に百一条より成る急捷簡便を尚ぶ軍裁判手続とは云え、其の規定簡短に過ぎ、訴訟の形式を備えず。即ち公訴あるに非ず、公訴の原告官あるに非ず、原告被告法廷に立て互に攻撃防禦の方法を尽して後裁判官判決を為すに非ず。審理は長官の命令に因り始まり、裁判官は軍人のみを以て之に充て、其の審理判決は之を公開せず、被告人は弁護人を附するの制無く、裁判あるも長官の命令を受くるに非ざれば之を宣告することを得ず。裁判は一審即ち終審にして上訴を許さざる等只管軍紀保持の目的に偏重して審理手続きを簡易ならしめんことを努めたるものなるが故に、裁判の公正を確保し且被告人の利益を保護する点に於て欠如するもの少しとせず。是其改正を要する所以なり。

 改正案の要旨及主なる改正の事項を挙ぐれば、改正案は広く諸国の立法例を参酌し、大綱に於て軍紀を保持し軍の利益を保護することを目的とすると共に、裁判の公正を確保し及被告人の利益を保護する点に於て特に周到なる用意を為したるものなり。而して其の訴訟手続に付ては軍の利益を害せず軍裁判手続の精神に戻らざる限りは可成元法律取調委員会に於て起草せる刑事訴訟法改正案の規定に倣わんことを努め、而して刑事訴訟法の改正に先ち此等の規定を実行して支障無からしめんが為には特に規定を設けたり。

 以上の趣旨に依り編成したる陸軍軍法会議法案は五百六十二条より成り之を第一編軍法会議第二編訴訟手続及附則に分類す。第一編は之を軍法会議の裁判権軍法会議の管轄権、軍法会議の職員、審判機関、予審機関、検察機関の六章と為し第二編は之を総則、始審、上告、再審、裁判の執行の五章と為し、総則を更に細別して裁判官の除斥及回避、弁護及輔佐、裁判、書類送達、期間、被告人の召喚拘引及拘留、被告人の訊問、押収及捜索、検証、証人訊問、鑑定、通訳の十三節と為し、始審を細別して捜査、予審、公訴、公判の四節と為したり。而して治罪法なる名称は之を改めて軍法会議法と為したり。第二編訴訟手続の外第一編に普通法裁判所構成法に相当する規定を設けたるに由る。

 現行陸軍治罪法に改正を加えたる主要なる項目凡左の如し。

一、軍法会議の裁判は長官の認可を経るに非ざれば宣告することを得ざるの制を改め裁判は軍法会議独立の権限を以て之を行うものと為し且法文を以て其の審判には他の干渉を受くることなき旨を明にしたり

二、軍法会議の審判を秘密にするの制を改め之を公開するを原則とすることとしたり

三、軍法会議の審理に於て新に弁護人の弁護を許すの制を設けたり

四、法令の違背を理由とする上告の制を設けたり

五、軍法会議の名称裁判権及管轄に変更を加えたり
 軍法会議の名称に付ては師管に軍法会議を設くるの制を改め軍の司令権と裁判管轄とを成るべく一致せしむるの趣旨を以て軍法会議を師団に設くることとし其の他軍中に在りては軍団、師団混成旅団に軍法会議を設くるの制を改め必要に因り軍、独立師団及独立混成旅団に之を設くることとし且新に兵站に軍法会議を設くるを得ることとし尚従来単行法の規定に依り設くることを得たる臨時軍法会議に付ては規定を改正案中に移されたるが故に之に応じて夫々名称を改めたり

六、軍法会議職員の名称を改めたり現行法に於ける理事の名称は他に幾多疑似の名称ありて不可なるが故に之を法務官と改め陸軍警守は改正案に於ては書類の送達令状の執行等の外犯罪捜査に補助を為さしむる者なるを以て是亦其の名称を適当ならずとして陸軍警査と改めたり

七、現行法に於て専門法官たる理事は主として審問(予審に相当す)に従事し裁判官たらざるの制を改め之を裁判官即審判機関の一員に加えたり
 又裁判官は判士長判士と称して悉く将校を以て之に充つるの規定なれども改正案に於ては軍人裁判官中に専門裁判官を加うることとし高等軍法会議の裁判官中に二名其の他の軍法会議の裁判官中に一名の法務官を交うることとしたり

八、法務官を終身官とし且其の身分を保障するの規定を本案中に設け従来の理事分限令は之を廃することとしたり

九、新に検察官を置き之をして捜査を為し公訴を行わしむることとしたり
 現行法は公訴に提起の制なく随て其の提起機関の設けなきも改正案は新に公訴の制を設け検察官を置き之をして公訴の原告官と為し長官に隷属して捜査を為し公訴を行うべき者としたり而して検察官たるべき者は法務官中より長官之を命ずることとしたり

十、捜査権の系統及捜査各官憲の権域を明にし且憲兵を以て陸軍司法警察官と為したり
 憲兵は陸軍治罪法に於て捜査権を有し普通警察官は軍人軍属の犯罪に付ては現行犯の場合に限り特別処分を為すを得るの権限を有するに過ぎざるも改正案は之を改め陸軍司法警察官を設け憲兵及陸軍大臣の指定したる普通司法警察官を以て之に充て之をして等しく陸軍司法警察の職務を執らしめ尚長官、隊長に亦現行制に於けるか如く部下の犯罪に関しては捜査権を有せしむることとしたり

十一、裁判官の除斥、回避の制を設け且検察官及被告人より長官に裁判官の変更を具申し得るの規定を設けたり

十二、現行法には勾留を受けたる被告人に保釈を許すの規定なきも之を改め軍人軍属に非ざる被告人に付ては保釈を許し軍人軍属には旧に仍り責付のみを許すこととしたり

十三、検察官捜査中強制の処分を要するときは其の処分を予審官に請求するを得るの規定を設けたり

十四、現行法に於ける審問に相当する処分を予審と改め判決に相当する審級を公判と改めたり
 予審は旧に仍り専門法官たる法務官之に任ずることとしたり

十五、欠席裁判の制を廃したり

十六、再審に関する規定に変更を加えたり

十七、新に執行に関する規定を設けたり


・私見-軍法会議を開けない自衛隊は軍隊ではない

 我が国の自衛隊は帝國陸海軍とは違い軍法会議を開けないので検察庁(行政)と裁判所(司法)に依存して隊紀を維持している。従って検察庁と裁判所が必ず機能不全に陥る日本有事の際には、自衛隊法の罰則規定が死刑を欠くなど恐ろしく甘いことと相俟って、自衛隊は隊紀を維持できず内部崩壊するであろう。自衛隊は軍隊に必要な自己完結能力を完全に獲得できおらず、依然として法的組織的には軍隊並みの重武装を持つ警察なのである。

 元潜水艦艦長の中村秀樹氏は海上自衛隊に実戦能力がないことをシビリアンコントロールを行う有権者たる国民に訴え、次のように警鐘を鳴らしている。

 「また、国内法上の問題で規律が維持できない虞がある。それは軍刑法がないことだが、この深刻さもまた理解されていない。軍刑法がないため、規律違反の隊員に対する処置は一般の刑法や自衛隊法違反で裁くことになる。軍法会議がない以上、三審制の長期の裁判を覚悟せねばならない。戦争遂行を不可能とする軍規違反(そもそも軍規さえ存在しないが)が生起しても、その裁判が長期にわたり結審には何年もかかる。これでは違反に対する抑止効果がないので、規律違反や犯罪を防止できるわけがない。これでは、有事敵前逃亡が頻発するほか、規律維持も困難であろう。

 社会的な重大事件や悪質凶悪事件の裁判の長期化と判決の内容には、読者も疑問と不満をもたれているだろう。そういう我が国の司法の現実を踏まえれば、有事に自衛官の職務離脱や命令違反が大量(数十件でも十分に大量)に発生して、警務隊や司法当局の能力を超えてしまうことは想像に難くない。死ぬよりは長い裁判で拘留されることを選ぶ不心得者は、数名ではすむまい。

 日本社会の特殊事情として、裁判闘争に国内の特定政治勢力が介入することも、考慮すべきであろう。戦時の自衛官による職務離脱という重大犯罪を、平和のためと正当化する論法は、日本では必ずしも異常なことではない、というのも残念ながら現実である。それらの勢力は、敵国に友好的である可能性も高いことを考えれば、敵前逃亡などを教唆煽動する事態まで心配するのは、杞憂ではあるまい。」
本当の潜水艦の戦い方―優れた用兵者が操る特異な艦種 248ページ)。

 軍事組織の精強は先ず軍紀の厳正より生じるので、軍紀の厳正を保つための軍法会議の運用は軍事組織の要諦(物事の最も大切なところ、肝心かなめの点)である。我が国がGHQによって軍隊の運用を放棄させられてからすでに70余年が経過し、我々日本国民は軍法会議の運用を再開できるかどうか。それは恐ろしく困難な作業であろう。しかし日本国民は韓国人と違い漢字を読めるので、改正陸海空軍事法(尾山万次郎著/昭和18年発行/国立国会図書館デジタルコレクション)収録の陸海軍軍法会議法を熟読し理解し模倣し改良し現用化することはできる。

 GHQ製日本国憲法に自衛隊を明記する憲法第9条改正は、自衛隊の自己完結能力に欠けている部分を補充しないので、国防の強化には全く役に立たない。それより国会が、GHQ製日本国憲法第76条に基づき、家庭裁判所に倣い、最高裁判所に最終審判を仰ぐ自衛隊用の下級裁判所を防衛省自衛隊内に設置し、これを軍法会議を代替する軍事裁判所として自衛隊に運用させる方が、よほど国防の強化に役立つ。これは自衛隊内の法務官を育て、自衛隊員を含む日本国民の軍法会議運用能力を徐々に再生し、将来の我が国が国軍を再建しあるいは国防軍を創設するための準備となるからである。

・私見-小西洋之の無恥蒙昧な猿芝居によって示されたシビリアンコントロール不能国家の悲惨な現実
 
 参議院会派の立憲民主党・民友会に属する小西洋之(東大教養学部卒)は2018年5月8日のブログ記事「幹部自衛官 暴言事件、最終報告書の暴挙について」で次のように書いた。

「2.防衛大臣や統合幕僚長の監督責任を不問

○ この報告書は、幹部自衛官を懲戒に至らない訓戒処分とした上で、こうした暴言を許した防衛省・自衛隊の監督責任について一切不問としている。

○ 監督責任の追及と断固たる処断こそ、最大の再発防止策の一つである。国会議員によるシビリアンコントロールを否定し破壊しようとした空前絶後の暴挙に対して、小野寺大臣と河野統合幕僚長は即刻辞職すべきである。
 それがなされなければ、我が国のシビリアンコントロールは脆弱極まりないものとなり、将来において自衛隊によるクーデターが起きる危険を解き放つものと考える。」


 小西が本気で以上の様に考えているならば、自ら音頭を取って野党を動かし、陸軍刑法第一章を自衛隊法に移植し、自衛隊法に「国会議員ヲ其ノ面前ニ於テ侮辱シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス」を加え、さらに進んで自衛隊法の厳罰化を行うべきだが、もちろん小西はそれを行わない。だから以上の小西の主張は猿芝居に過ぎない。

 孫子始計篇は戦争の勝敗について次のように説く。

 「さらに次の七つの基本条件に照らし合わせて、彼我の優劣を比較検討し、戦争の見通しをつける。

一、君主は、どちらが立派な政治を行っているか。
二、将帥は、どちらが有能であるか。
三、天の時と地の利は、どちらが有利であるか。
四、法令は、どちらが徹底しているか。
五、軍隊は、どちらが精強であるか。
六、兵卒は、どちらが訓練されているか。
七、賞罰は、どちらが公正に行われているか。

 わたしは、この七つの基本条件を比較検討することによって、勝敗の見通しをつけるのである。」


 戦史法学徒が孫子の教えを応用し、帝国議会によって可決された大日本帝国陸軍刑法と国会によって可決された自衛隊法を比較検証してみると、我が国の国防法体系の悲惨な現実が浮き彫りになる。日本有事の際には自衛隊は必ず内部崩壊し、我が国は必ず敗北する。

<陸軍刑法>

第一章 叛乱ノ罪
第二十五条 党ヲ結ヒ兵器ヲ執リ反乱ヲ為シタル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 首魁ハ死刑ニ処ス
 二 謀議ニ参与シ又ハ群衆ノ指揮ヲ為シタル者ハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処シ其ノ他諸般ノ職務ニ従事シタル者ハ三年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
 三 附和随行シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

第二章 擅権ノ罪
第三十五条 司令官外国ニ対シ故ナク戦闘ヲ開始シタルトキハ死刑ニ処ス
第三十六条 司令官休戦又ハ媾和ノ告知ヲ受ケタル後故ナク戦闘ヲ為シタルトキハ死刑ニ処ス
第三十七条 司令官権外ノ事ニ於テ已ムコトヲ得サル理由ナクシテ擅ニ軍隊ヲ進退シタルトキハ死刑又ハ無期若ハ七年以上ノ禁錮ニ処ス
第三十八条 命令ヲ待タス故ナク戦闘ヲ為シタル者ハ死刑又ハ無期若ハ七年以上ノ禁錮ニ処ス

第三章 辱職ノ罪
第四十条 司令官其ノ尽スヘキ所ヲ尽サスシテ敵ニ降リ又ハ要塞ヲ敵ニ委シタルトキハ死刑ニ処ス
第四十一条 司令官野戦ノ時ニ在リテ隊兵ヲ率ヰ敵ニ降リタルトキハ其ノ尽スヘキ所ヲ尽シタル場合ト雖六月以下ノ禁錮ニ処ス
第四十二条 司令官敵前ニ於テ其ノ尽スヘキ所ヲ尽サスシテ隊兵ヲ率ヰ逃避シタルトキハ死刑ニ処ス
第四十三条 司令官軍隊ヲ率ヰ故ナク守地若ハ配置ノ地ニ就カス又ハ其ノ地ヲ離レタルトキハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ死刑ニ処ス
 二 戦時、軍中又ハ戒厳地境ナルトキハ五年以上ノ有期禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ処ス

第四章 抗命ノ罪
第五十七条 上官ノ命令ニ反抗シ又ハ之ニ服従セサル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ禁錮ニ処ス
 二 軍中又ハ戒厳地境ナルトキハ一年以上十年以下ノ禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ禁錮ニ処ス
第五十八条 党与シテ前条ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ首魁ハ死刑ニ処シ其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期禁錮ニ処ス
 二 軍中又ハ戒厳地境ナルトキハ首魁ハ無期又ハ七年以上ノ禁錮ニ処シ其ノ他ノ者ハ一年以上ノ有期禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ三年以上ノ有期禁錮ニ処シ其ノ他ノ者ハ七年以下ノ禁錮ニ処ス

第七章 逃亡ノ罪
第七十五条 故ナク職役ヲ離レ又ハ職役ニ就カサル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
 二 戦時、軍中又ハ戒厳地境ニ在リテ三日ヲ過キタルトキハ六月以上七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ニ於テ六日ヲ過キタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

<自衛隊法>

第百十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は禁錮に処する

七  上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
八  正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者

第百二十条  第七十八条第一項又は第八十一条第二項に規定する治安出動命令を受けた者で、次の各号の一に該当するものは、五年以下の懲役又は禁こに処する。

三  上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
四  正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者

第百二十三条  第七十六条第一項の規定による防衛出動命令を受けた者で、次の各号の一に該当するものは、七年以下の懲役又は禁こに処する。

二  正当な理由がなくて職務の場所を離れ三日を過ぎた者又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて三日を過ぎてなお職務の場所につかない者
三  上官の職務上の命令に反抗し、又はこれに服従しない者
四  正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者
五  警戒勤務中、正当な理由がなくて勤務の場所を離れ、又は睡眠し、若しくはめいていして職務を怠つた者


 自衛隊法の罰則には死刑がない。防衛出動発令後、自衛隊の指揮官が正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して部隊を指揮しても、自衛官が敵前逃亡しても、長期にわたる三審の末に、七年以下の懲役刑又は禁固刑に服すのみである。

 国会議員は軍部暴走史観を信じこみ、バカの一つ覚えの様にシビリアンコントロールを叫びながら、陸軍刑法とは比べ物にならないほど異様に甘い自衛隊法の罰則規定を放置して、これを強化しない。

 軍事組織の精強はまず軍紀の厳正より生じるから、自衛隊法の厳罰化は自衛隊の精強を高め、有事の際に自衛隊が内部崩壊する可能性を下げる。自衛隊法の厳罰化は、憲法に自衛隊の存在を明記するマッカーサー占領軍憲法(GHQ製日本国憲法)第9条改正より容易で即効性のある国防強化政策である。だから日本国の軍事的弱体化を希求する反日左翼野党が自衛隊法の厳罰化を行わないのは当然であるが、自衛隊の国防軍化を主張する議員を抱える自民党ですら、それを行わない。

 現自衛隊法の厳罰化を伴わない自衛隊装備の強化や自衛隊任務の拡大こそ国防上の危険でシビリアンコントロールの不全そのものなのに、小西はそれを省みずにただ休暇中の自衛隊員に自分が罵倒されただけで、シビリアンコントロールの脆弱化やクーデターの危機を訴える。まさに厚顔無恥と無知蒙昧の極みである。他の与野党議員も小西と大差ない。

 残念ながら現在の我が国では、シビリアンコントロールを行わなければならない国会議員がシビリアンコントロールを行うための意志と能力と見識を喪失している。まさに国会議員の喚くシビリアンコントロールはまさにバカの一つ覚えになっているのである

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龍井榮侍

Author:龍井榮侍
 東亜連盟戦史研究所は、主として大東亜戦争に関する国民の戦史知識水準の向上を目指して開設されました。

 弊研究所が確信する「正統戦史研究」とは、信用の置ける第一次史料を集め、史料に事実を語らせ、独自の史観を構成することです。だが第一次史料とて作成者の欺瞞、錯誤を含んでいるかも知れず、たとえ紛れもない真実を示していても、所詮それは膨大な歴史的事実のごく一部にすぎません。

 歴史の真実の探求は極めて困難であり、戦史研究において歴史学徒が最も留意すべき事項は、間違いが判明すれば直ちに修正することであり、最も禁忌すべき事項は、「自説保全による自己保身」に走ることです。よって弊研究所は、読者の皆様の建設的な礼節ある御意見、御批判、御叱正を歓迎します。
 
 所長の本拠地は森羅万象の歴史家ブログです。

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